当研究室では,流体工学に関連する研究を実験および数値的解析によって行っています.以下のような研究対象において,具体的な課題を個別に設定して研究しています.より詳細な研究内容を知りたい人は,歓迎するので居室を訪ねてきてください.

流れが速くなると圧力が低下し,液体の蒸気圧力以下になると液体中に蒸気泡が発生します.このようにして生じたキャビテーション気泡は,流体機械の性能低下や騒音および損傷等の原因となり,ロケットエンジンのターボポンプインデューサや油圧機器等で問題となっています.一方で,キャビテーション気泡の崩壊によって生じる高圧力場は加工,洗浄,水質浄化等に有効利用されています.このようなキャビテーションを伴う諸現象に関する研究を行っています.

縮小拡大流路に生じるキャビテーションの様子

インデューサに生じるキャビテーションの様子

超音波診断で用いられるよりも強力な超音波を体外から集束させ,その焦点における高圧力,高温度場を用いて,体を切らず結石の破砕や腫瘍の焼灼等によって治療する方法が世界的に注目を集めています.患者のQOL向上のために,このような超音波を用いた低侵襲治療を実現する超音波診断治療機器の開発に関する研究を行っています.

肝腫瘍に対するHIFU治療シミュレーション

HIFU治療シミュレーションに至るデータの流れ

航空機や車両まわりの流れ,自動車のエンジンルーム内の流れおよび流体機械を過ぎる流れ等,複雑な形状を考慮した熱流体シミュレーションが設計において行われるようになってきています.設計における解析サイクルの効率化と高精度な熱流体シミュレーションのための計算手法の開発とともに,開発した計算コードを実際の課題に応用して,課題に固有の問題について解析しています.

ドラゴン周りの流れの様子

スーパーコンピュータのような超並列計算機を有効に利用するためには,その性能を十分に引き出すためのコード開発が必要不可欠です.熱流体解析における超並列計算のアルゴリズム開発に関する研究を行っています.

ZZ-HIFU-Kの並列性能