研究室で学ぶこと(学生向け)

 皆さんが知っている流体(例えば“水”)は高いところから低いところに流れ(動き)ます.しかし,溶融金属や磁性粒子が分散したコロイド分散液などの流体は外場(磁場・電場など)に反応するため,重力に逆らって動かすことが可能です.これら機能性流体や流体中の微粒子の挙動および構造形成の物理を解明し,主に材料プロセスや化学・食品産業などの生産現場での品質および生産性の向上に寄与するような研究を行っています.さらには外場を利用した新しいデバイスやシステムを創出することを目標としています.

 当研究室では,流体力学・電磁気学・コロイド物理工学・粉体工学を基盤とした物理現象理解の基礎研究から工学利用を目指した応用研究までを行なっています.一つのテーマに向き合って「何故? どうして?」を追求することで更なる知的好奇心が湧き,知の探検を楽しめればと考えています.研究においては学生の主体性を尊重し,教員はサポートに徹するよう努めます.各自の研究スケジュールを立案及び管理し,定例ミーティングで進捗状況を報告してもらいます.これらは計画的な研究進行の重要性とともに基礎的理解を深めあうこと,また自分の考え・意見を第三者に伝えるコミュニケーション能力を高めることを目的としています.これらスケジュール管理とコミュニケーション能力は社会に出てから必要な素養であると企業でのエンジニアの経験(石川島播磨重工業㈱:現㈱IHIにて宇宙環境利用実験装置の開発・設計)を通じて私自身実感しています.知的好奇心と探究心,そして遊び心を持った学生の来訪を期待しています.

 研究室の学生には,将来的に国内外で通用する技術者・ビジネスパーソンとして活躍して欲しいと願っています.そのためには,
  1) 研究を深める探求心・執着心を身につけ,努力を惜しまないこと(自分でコツコツできる),
  2) 研究室のルールを遵守し,周囲に配慮しながら研究環境を保持し,自身を律することができること,
  3) 研究室や大学の行事・活動に積極的に関わり,雑用もこなしながら誰とでも協力できること,
を期待しています.

 逆にこんな方は向いていないかもしれません;
  a) 1~10まで分かりやすく教えてもらいたい方,
  b) 自分の質問には全て答えてほしい方,
  c) 自分で資料・書籍などを見て勉強する気がない方,
  d) 研究の進行や方向性等に間違いがあったときや更なる作業が必要なときに気分が悪くなる方.