Research

安藤研究室のSNAP研究

※SNAP研究会

研究活動内容

クロスフロー精密膜ろ過シミュレーションによる高せん断場での膜面堆積粒子の挙動

 

 膜面に対して平行な流れを与えるクロスフロー膜ろ過では,ろ過が進行するに従って膜面に堆積する粒子は増加することが無くなる.それに伴い,透過流束は定常状態になる.この現象は,膜面に堆積する粒子の増大により堆積粒子を含めた膜抵抗が増大し,粒子の膜へ接近する方向へ働く力が減少し,せん断場における粒子に働くLift forceと等しくなるためと考えられている.このことを定常流束と呼んでいる.つまり,定常流束の前後においては,一度膜面に堆積した粒子が剥離していることが考えられる.
 本研究では,クロスフローろ過で粒子が膜面に堆積した状況を作り,その後,せん断流れによりケーク層堆積粒子が剥離する状況を数値シミュレーションで確認した.ここで,剥離過程においては膜面に向かう圧力勾配は与えず,流動方向にのみ速度勾配を与えた.

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強磁場材料プロセスにおける変調回転容器内に発生する非定常流の挙動


 超伝導磁石の発展に伴い,強磁場を用いた材料プロセスが盛んに研究されるようになった.その中の一つとして磁場を印加し,非接触で磁気異方性粒子の結晶方向を制御する磁場配向技術がある.この研究では結晶方向を揃えることにより材料の物性向上が期待されている.
 現在,この手法をコロイドプロセスに用いて超電導材料を創製する試みがなされている.溶媒が高粘度の場合は大きな問題ないが,溶媒粘度を下げた場合,変調回転容器内の溶媒の流動が追随しないことに加えて,回転軸に平行な縦断面内においても流動が生じる可能性がある.変調回転の条件と溶媒粘度との関係を明らかにすることは今後の材料プロセスにおける指針を与えるものとなる.

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固液混相流れにおける急縮小部を通過する固体粒子の流れに関する研究


 ボトルネックのような急縮小部を通過する粒子の流れにおいて、粉粒体の流れ(固気混相流)と流体駆動粒子の流れ(固液混相流)では流れの様相が異なる。粉粒体の流れにおいては、急縮小部に向かって粒子がV字状に流入するファネルフローは一般的に良く見られる現象である。その一方で、槽内の粉粒体全体を一様に下降しながら流れるマスフローに近づけるため(すなわち整流するため)にボトルネック手前に障害物を挿入する方法が用いられている。例えば、サイロ内の粉体の流れにおいて、一般に粉体はサイロ出口のボトルネック部で詰まる。これを阻止するためにボトルネックの手前にコーン(障害物)を置いて、ボトルネックの閉塞を回避するという方法が前世紀から経験的に採用されている.近年、実験および数値シミュレーションを利用した障害物設置による目詰まり低減や障害物形状の効果に関する研究が行われている。

 液体中の固体粒子が流体と共に流れる流体駆動系の固液混相流において、急縮小部手前に障害物を置いた場合、固体粒子の流れが促進するか否かは興味深い問題である。障害物が無い流体駆動粒子の急縮小部における目詰まりについての研究は多く行われているが、障害物を設置した場合の粒子流れの影響についてはどうやら行われていない。化学、食品、土木等の産業における原材料の輸送過程、製品および製造過程において固液混相流の移送は非常に多く用いられている。固体粒子の大きさもナノオーダーからミリオーダーまで様々である。本研究はブラウン運動や粒子間の静電相互作用等が生じない大きさの固体粒子を対象に、急縮小部を通過する流体駆動の粒子の流れに障害物がどのような影響を与えるかを2次元実験と数値解析によって検証し、そのメカニズムを解明し、最適な条件を探索することを目的としている。現在、その途上にある。

 

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CFD解析による羽根なし撹拌機の基本特性に関する研究

 

撹拌は様々な産業分野で利用されるため,撹拌対象となる流体の粘度も幅広い範囲を扱うことになる.そのため,幅広い範囲の粘度に対して最適な撹拌を行うために,様々な羽根形状の撹拌機が開発されてきたが,近年従来の撹拌機とは異なる羽根のない撹拌機が開発された.この撹拌機に関する研究報告はあまりなされておらず,羽根なし撹拌機の要素である撹拌機直径や孔寸法が基本特性に与える影響は解明されていないのが現状である.
 本研究では,羽根なし撹拌機の要素の1つである孔寸法が基本特性に与える影響を明らかにすることを目的に,シミュレーションによる撹拌槽内の流れ場の定常解析を行った.

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