チームスポーツと研究室

 中・高・大学と体育会の運動部に所属していた。当然、毎年メンバーが変わる。昨年度良い成績を残したとしても、次年度は新メンバーとなるので、同じような成績を残せるとは限らない。また、同様に他校のメンバーも変わるので、同じオーダーや戦術では通用しない。

 指導者やチームリーダーがやり方を変えるのは、メンバーが良い時か、またはその逆のどちらかだと思う。特に後者の場合は、やり方を変えざるを得ない。

 人が変われば、やり方が少なからず変わることは当然のこと。2012年から毎年卒業生を送り出しているが、企業や社会が求めるスキルはハードルは同じ、いや高くなっていると思う。大学の機械工学科卒業という肩書を背負って社会に出ていくとき、最低限のスキルがないと科学技術の変革期の真っ只中にいる現代社会や会社組織の中でうまく泳ぎ切れない、やっていけないと思うのである。

 

 まわりくどい言い方はやめよう。以前、「なぜ、今年は新たに〇〇をやらなければいけないのでしょうか?」と研究室の学生に聞かれたことがある。本当は「君達のスキルがこれまでと比べると足りないからだよ。」と言いたいことをぐっとこらえて「特に理由はないが、今年は新たに〇〇してもらう。」と答えたのがいけなかった。学生には一貫性が無いコロコロと考えが変わる教員と捉えたようだった。

 研究室運営はなかなか難しい。社会の縮図でもある。「君達のスキルがこれまでと比べると足りないからだよ。〇〇をすると△△のスキルがアップすると思うんだ。」とはっきり言えば良かったのかもしれないと少々反省している。

2020年12月28日